この半月くらいで舞台を9本観た。そのうち2本は過去の作品をDVDで。あとの7本は劇場へ、それも面白い作品ばかり。すごく刺激的だった。
まずはひと月前だけど、三茶のシアタートラムで、大好きなともさかさんのだんな様、河原雅彦さん演出「父帰る」「屋上の狂人」という二本立ての舞台。チラシの印象と題名しか知らず観に行った私は、今から約二時間、文芸作品を観るんだと少し気を張っていたのだけど・・・
この作品はまるでジェットコースター、見事に私の想像を覆された作品だったのです。
「父帰る」私の予想では昭和初期。兄、弟、妹そして老いた母の貧しいながらも幸せな家族のお話。
冒頭。茶の間で家族と質素な夕食。いつもと変わらぬひととき。。。
戦時中かなぁ、懐かしい匂いがする?そうか、小さい頃おじいちゃんがよく話してた風景に似てるからだ。それにしても面白い方言だなぁどこの言葉だろう、などと廻る私の頭の中。
静かな舞台の上、静かな芝居が進んでいく。観客席が静かにほのぼの空気に包まれ、、、、と思いきや、家族を捨てて出て行ったはずの父が突然帰ってきたことから話は一転、急展開!既に老いぼれた父を難なく受け入れようとする家族に対し、この家に父などいない。いるとするならば自分だ、と言い放つ兄。若いときは自分勝手に生きたくせに、老いぼれたころにのうのうと帰ってくる、そんな身勝手な父を許せる訳ないと、怒りを爆発させていくの。温厚で優しかった兄が、厳格な父の顔に豹変する。でもどこかで父を想う気持ちが交錯し、やり場のない感情を露わにする・・・と、ここまできたらもう目が離せない。私はこの展開の速さと、この兄演じる草さんの芝居にすっかり引き込まれていた。
ところがこの時点で芝居が始まってたった15分、速すぎるクライマックスの到来に戸惑いながらもその後はまるでジェットコースター!最高潮に感情が高ぶり盛り上がってきたところで音楽も音量を増し、暗転。タイトル「父帰る」の文字が舞台上に浮かび、物語は幕を閉じた。
?
幕を閉じた?
?!??!??!!?????!終わっちゃったのー!?
たった30分で幕が下りたんだよ?知らなかったの私だけ?でもちゃんと完結してた。。きゃーっ、(>_<)この時私こんな感覚に陥ったの。清々しい高揚感とワクワクドキドキ、すごく興奮したのを覚えてる。なにこれ、、ジェットコースター!!
その後がまた面白いのよー「屋上の狂人」。
これには私強いメッセージを感じたの。まぁそれは後程。
草なぎさん、「父帰る」では温厚な兄から厳格な兄でしょう?
「屋上の狂人」で出てきたのは屋根の上にちょこんと座って空ばかり指差して神様?とお喋りできる障害をもつ凄く純粋な愛らしい少年。厳格な兄の面影はさらさらない。「父帰る」でとことん真面目な弟役をやってた勝地君も、やんちゃな弟に。みんな前半の役柄と立場が逆転していたり、そういうところでもクスッと笑える仕組み。
今、純情きらりで共演している、桜子と薫子の先生役だったキムラ緑子さんが、トリッキーな詐欺師の巫女さん役で登場して更に一波乱!
みんな狂人さんを厄介者にしたり同情したりするんだけど、そんな中で屋上の狂人さんはマイペースに自分の生きたいように遊んでいる。神様と会話出来たり雲と遊んだり。いつもニコニコ笑ってる。常にハッピーな人。何事にもこんなに純粋に喜怒哀楽を生きられたら、、なんて楽しい生き方だろう、羨ましい。私はこの狂人さんのそんなところに惹かれた。
一つの作品にこんなに長くなってしまいましたが、、次の作品はまた今度にします☆